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K-POPやアイドルオーディションに合格するまでの道のり│グローバルオーディションを勝ち抜くためにやった3つのこと

2024 - 05.13
執筆者情報
TOKIONE TETSUYA

AVEXワールドオーディション台湾での優勝を機に作曲家として活動し、
独立後はシティポップ・アーティストとしてJAPAN TIMES誌にも掲載された。
NTTドコモ音楽事業部にて、デジタル音楽及び全国オーディションプラットフォームのサービス主幹を担当。
2014年から発掘・アーティストプロデュースを担当した清水美依紗がメジャーデビューを果たした。
早稲田大学・政治経済学部政治学科卒。

アイドルオーディション合格のためにはどのレベルの才能が必要?

はじめまして、グローバルアーティストの育成スクール『Top1ine Artist Development』の代表TETSUYAです。東京を拠点にしたK-POPボイストレーニングの専門機関で、アイドルやシンガーの皆さまのために実践的な情報を発信しています。

このブログでは作曲家兼音楽プロデューサーとして執筆することが多いですが、自分の経歴の出発点を振り返るとAVEXグローバルオーディションという大規模なオーディションで優勝したことですので、今回はオーディション通過を目指す方へ向けて、経験談として書いてみようと思います。

また、プロデュースや事業開発の仕事に移行した30歳以降は全国の音楽オーディションを管理する立場にもいましたので、内部からの事情にも詳しいです。ぜひ参考にしてみてください。

はじめに:アイドル審査は何次審査まである?

はじめにアイドルオーディションやメジャーレコード系の大規模オーディションの審査の流れを説明します。

ちなみに自分自身が若いころ通過したことのあるオーディションは会社名であげますと、フジテレビの出演権を競うもので最終審査、SMエンターテイメントオーディション2次審査、ソニーミュージックSD(育成生)、研音グループの事務所面談、台湾オーディションテレビ番組出演、最後がAVEXワールドオーディションの優勝(参加人数6000人)でした。他にメジャー作品を扱うプロデューサーからの直接スカウトの経験は数回ありました。

もちろんここに書いていないオーディションもたくさん受けておりまして、総数としては30社くらいだと思います。

芸能事務所系オーディションは審査が短い

日本の場合、芸能事務所系列のオーディションは審査が比較的短い傾向にあります。自分も事務所からのスカウトも含め数回経験がありますが、基本的に面接は1回のみ。大きめの事務所でも2回目で合否の判断をされる場合が多かったです。

そもそも大手K-POP事務所のように大規模なオーディションをできる会社は殆どありません、オーディションを企画するにも通常はスタッフを手配したり会場を手配したり経費がかかりますので、いわゆる事務所単位ではそこまで労力をかけないことが多いです。

逆に言えば理由もわからず何度も何度も面接に呼ばれるといったケースは何か特殊な契約などを求めている可能性もありますので、注意も必要でしょう。

大規模オーディションになると審査期間は3か月以上

しかしこれがレコード会社の社運を賭けたオーディションや、大手K-POP事務所のオーディションになると期間や審査の数はぐっと多くなります。

わたしがAVEXのグローバルオーディションで優勝した際は、デモテープ審査を含めると4次審査まであり、そのうち大きなステージセットで歌う機会は2回ありました。

期間としては書類を送ってから3か月ほどで決定しましたが、もう15年以上前の時代でしたので現在の大規模オーディションになるとこれも短い方にあたるかもしれません。(執筆時現在2024年5月)

 

アイドルオーディションを通過するための心構え

ですので、アイドルやアーティストオーディションを通過するまでには、少なくとも数カ月~1年くらいの期間にわたってモチベーションを保ちつつ、途中経過によって戦略を変えたりと途轍もない精神力と集中力が必要になってきます。

実際にオーディション番組などテレビで自分の姿が放映されるような企画の場合はさらに世の中からの反響が自分に跳ね返ってきますので、ストレスやプレッシャーに耐え切れず体調を崩してしまうケースも多々あります。

①:自分の実力を客観的に把握しておくことが大事

ですので、オーディションを受ける前に、ある程度客観的に自分の実力やスキル、長所と短所を把握できていた方がいいです。

受ける側にとっては審査員やプロデューサーは神様のような存在に思えます。そこからのフィードバック(返答)を全て真に受けて一喜一憂していると精神的に疲れが来て自分を見失い、結果的に最終勝ち残れないことも多いです。

逆に結果や短期のフィードバック

にブレない姿勢が逆に審査員にとって魅力的に映ると思います。

②:目立つポイントが一つでもあれば一点集中

また、オーディションを受けている最中はみな自分自身のことで頭の中がいっぱいになってしまいます。

しかし、同じオーディションでは自分と同じ想いのライバルが数千人・数万人いるのです。

クラスの中で一番、学年の中で一番目立つ、可愛いとは次元の違う規模の戦いでもありますので、そこでどう自分が他の参加者と差をつけられるかを戦略的に考えて臨むべきです。

もしそれがあれば、その部分のアピールに集中し、『絶対に自分のそこの部分の長所だけは伝えるぞ!』という足跡を残すようにしたほうがいいです。

現代のアイドルオーディションに必要なスキルとは?

ここまでは、オーディションの準備段階でまずは持っていてほしい心構えについて書きましたが、実際にオーディションで審査員やプロデューサーが望むスキルとは何か、さらに求められる実力はどのレベルなのかを解説していきたいと思います。

※ここではルックスなど努力では変えづらい要素については触れません。

①歌声:声質の土台と伸びしろを感じられるか

まず、なんといっても真っ先に求められるのは歌声の良さです。一言で良い歌声といっても音楽ジャンルによってもそれぞれですので、逆に考えると自分の声質にあったジャンルを見つけ、そこに挑戦していくというのも有効な取捨選択になります。

今回はグローバル系のオーディションにも通用するような歌声に絞って考えてみますが、K-POPの大規模オーディションの場合は長くて数年かけてトレーニングしていく育成システムを持っているため、直近の歌唱力よりも声質の持って生まれたポテンシャルと伸びしろの有るなしを見られます。

鼻声ではない声の響きがあるかがキー

特にアジアの音楽プロデューサー陣が日本人の声に対してマイナスの印象を持っているのが、日本人特有の鼻声です。特に女性の歌声に可愛らしい子供っぽい声を好む日本文化が根付いているので、いわゆる鼻にかかったような声が定着していきました。

実はこの日本人特有の鼻声という概念は誤解も多く、ボイストレーニング用語である鼻腔共鳴とは違う概念です。鼻にかかったように聴こえるが豊かな響きがない声のことを日本人の鼻声という風に表現されています。

私自身のボイストレーナーとしての経験上、こういった声質は声の響きの成分が画一的に制限されてしまうため、ボイストレーニングを続けても成果が出にくいです。声域も拡がりにくいのでメインボーカルとして採用したいと思われにくくなってしまうのです。

この日本人特有の鼻声が無く、将来的に豊かな声の響きにつながりそうな素質のある声、そんな声をプロの音楽家、プロデューサー陣は求めてきます。ですのでぜひ海外で活躍しているアジア人アーティストたちの声を研究してほしいと思います。

詳しい歌声の秘訣やそもそもそういう声をどう作っていけばいいかは、私たちの『Top1ine Artist Development』にぜひお問い合わせください。

②ダンス:リズム感とボディコントロール

ダンス審査も現在はさらに競争が激しくなってきました。単に基本のステップ出来ている、振り覚えがいいといっただけでは将来アーティストとしてステージに立てるかの基準に達しません。ステージの上で目の肥えたアイドルファンの目を虜にするための素質を見極められていると思った方がよいでしょう。

特に私自身がプロデューサー目線で考えるダンスのスキル要素は下記の通りになります。

  • リズム感・・・音楽に合わせて身体を動かすだけでなく、体幹で自らリズムを刻めているか?
  • ボディコントロール:柔軟性や力の入れ具合を自らの意思で制御し、自然な緩急を付けられるか?
  • クリエイティビティ:与えられた振付の中で、自分なりのアレンジや表現を作ろうとする意欲が感じられるか?

③語学;多言語ができるコミュニケーション能力

また、近年では韓国だけでなく日本においても、将来的にワールドツアーなどを見越したアイドルグループを育成したいと考える事務所が増えてきました。その際に語学能力は大きなアドバンテージになります。

ダンスや歌唱はどうしても肉体能力や生まれ持った性質などに左右されがちですが、語学能力についてはコツコツ継続してやることで誰でも習得することができる能力です。

ですが、なかなかそれを続けられる環境やモチベーションがない人が多いので、日本人は軽視しがちです。ですが、最低限、英語できちんとコミュニケーションが取れ、歌でも発音が崩れないようにトレーニングしておくことは必要になってくるでしょう。

トップラインを歌うシンガーやアイドルのセンターポジションになってくると英語に加え韓国語、中国語能力を持っている人材が主流になっています。

諦めない心の強さが最も大事

いかがでしたでしょうか?K-POPやグローバルアーティストに求められるスキルやポテンシャルがとても高く『私にはできない』と思ってしまう方もいるかもしれません。

ですが、オーディションに通過できた候補者が皆最初から才能や環境に恵まれていたわけではありません。また、全員が低年齢の時からレッスンに通っていたわけでもないです。技術が優れていることと、人の心をつかむことが100%同じではないのがエンターテイメントの面白いところです。

ですので、現在オーディションに臨んでいる方々には何度もトライして諦めない心の強さを磨いていってほしいと思います。

とはいえ、基本的に一人で高いモチベーションを維持するのも難しいことですよね。

私たちの『Top1ine Artist Development』でも日々、一人一人の才能が開花できるようなトレーニングプログラムを開発しておりますので、ぜひ世界を目指したいという方はお気軽にお問い合わせください。

 

執筆者情報
TOKIONE TETSUYA
AVEXワールドオーディション台湾での優勝を機に作曲家として活動し、 独立後はシティポップ・アーティストとしてJAPAN TIMES誌にも掲載された。 NTTドコモ音楽事業部にて、デジタル音楽及び全国オーディションプラットフォームのサービス主幹を担当。 2014年から発掘・アーティストプロデュースを担当した清水美依紗がメジャーデビューを果たした。 早稲田大学・政治経済学部政治学科卒。

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