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【XG徹底研究】│グローバルアイドルに必要なダンス練習や歌唱力トレーニング方法とは(前編)

執筆者情報
TOKIONE TETSUYA

AVEXワールドオーディション台湾での優勝を機に作曲家として活動し、
独立後はシティポップ・アーティストとしてJAPAN TIMES誌にも掲載された。
NTTドコモ音楽事業部にて、デジタル音楽及び全国オーディションプラットフォームのサービス主幹を担当。
2014年から発掘・アーティストプロデュースを担当した清水美依紗がメジャーデビューを果たした。
早稲田大学・政治経済学部政治学科卒。

こんにちは、このサイトではグローバルアーティストを目指す若い音楽家の方、もしくは世界を目指すグループのファンダムさま向けに、海外でプロとしての音楽活動をした自分の実際の経験をもとに、音楽面や歌唱技術についてのプロ目線での考察を行っています。

今回は日本人グローバルで目覚ましい成果を挙げているグループ『XG』について取り上げてみようと思います。(※長くなってしまったので前編:ダンス、後編:ボーカルに分けようと思います)

 

アーティスト・ディベロップメントの視点からXGを研究

日本でXGレベルのダンス&ボーカルを習得することは可能なのか?

このブログまで辿り着かれている方はすでにお分かりだと思いますが、XGのプロデュースを手掛けているXGALXというプロダクションは元K-POP男性アイドルグループのメンバーだったSimon氏が代表兼プロデュースを行っています。

デビューまで育成に約5年間かかったということでドキュメンタリー番組も公式に公開されていますが、
それを見る限り、K-POP流のトレーニー制度にほぼ沿う形で実力を磨かれていったことが分かります。

XGデビュー前のダンストレーニング風景

その情報だけを知れば、XGのように才能を開花させることはどうしても韓国のプロデュース指揮に基づかないと不可能なようにも思ってしまいますよね。

ですが、個々の才能の伸ばし方は千差万別で、方法論も異なります。

純日本式でグローバルレベルになった例もある

例えば2013年に結成した日本のFAKYやMoonchildのダンス&ボーカルを観て、日本人の身体的ポテンシャルとしてK-POPアーティストにかなわないと思う人はいないと思います。

FAKY-Little More

FAKY2代目リーダーだったLiL Fangさんの経歴を見ますと18歳でAVEXにスカウトという、XGメンバーに比べるとかなり遅めのスタートです。その前には洋楽に目覚め都内のクラブで洋楽カバーなどを歌いながら活動していました。

このように個々人のポテンシャル部分、自発的なトレーニング期間に培われたスター性をレコード会社が発掘するのが日本の従来のアーティスト開発(アーティスト・デベロップメント)だったと感じますね。

この記事を読んでくださっている方々は日本からK-POPやグローバルアーティストを目指している方がほとんどだと思いますので、XGの育成トレーニング方法を参考にしていきながら、日本で同じような技術を習得するために必要な項目をまとめていきたいと思います。

XG独自のダンストレーニング法に迫る

XGのダンストレーニング方法については一般的なアイドル育成トレーニングと比較して、独特で専門的な要素が多く含まれています。

そこで、YouTubeや公式ドキュメンタリーシリーズ「エクストラエクストラ」で見られるXGならではのダンストレーニング方法とその上達のコツについて、項目別にまとめました。

①体幹からのトレーニング

有名なLevel Up トレーニング

XGのダンストレーニングは、通常のウォームアップやストレッチに加えて、体幹を鍛えるための特別なエクササイズが含まれています。

これにより、ダンサーとしての瞬発力や柔軟性、スタミナを高めています。また、特定の筋肉群の的を絞って強化するため、怪我の予防にも重点が置かれています。

このようなアスレチックなアプローチは、彼女たちのパフォーマンスの質を高めるための基盤となっています。

体力的には厳しく、通常個人で自発的に高めることは難しいトレーニングであるからこそ、この基礎をきっちりと取り入れることにより自分のダンスをライバルと差別化することが可能なのです。

②振り付けの習得方法

XG-Dance Practic

振り付けの習得において、XGは体系的かつ段階的なトレーニング方法を採用しています。

まず、基本的なステップを正確にマスターした後、複雑な動きやリズムの変化を加えながら練習します。

公式ドキュメンタリーシリーズ「エクストラエクストラ」やYouTubeのダンスプラクティス動画では、彼女たちが細部にわたる修正を繰り返し行い、グループ全体のシンクロを高めるための努力が伺えます。

加えてメンバー同士でビデオ撮影を行い、動きのタイミングや表現を統一する様子も見られます。

③チームの結束がダンスに与えるシンクロ性

日常生活の中で気持ちを伝えあう大切さ

ただ、このシンクロ度合いについてはメンバーたちのインタビューを見る限り、幼少期から一緒に生活してきたことによる影響も大きそうです。

これについては中々真似できませんが、普段の生活でメンバー同士が正直に気持ちを伝えあえる信頼感が大切だということも分かります。

ハービーのインタビュー

 

④個別のパフォーマンス向上策

XGメンバーは個々のスキルを向上させるためにかなり特殊な環境下でトレーニングを受けています。公式のトレーニング映像では、韓国のダンスコーチから直接指導を受け、細かな動きのニュアンスや表現方法を学んでいる姿が見られます。

リーダーやセンターに立つだろうとサイモン氏に思われたメンバーは特に、表現力やカリスマ性を高めるための指導を受けていたと推測されます。

また、他社評価と自己評価を常に同時に行い、課題を明確にした上で、個別に強化するトレーニングも行っていたことが垣間見えます。

個人での技術の磨きこみがわかる(XTRA×XTRAより)

結論:セルフイメージとモチベーション維持

XGのメンバーが上達していく過程はやはり大規模オーディションならではのもので、一般のトレーニーたちがそのまま取り入れられない部分も多々あります。

メンバーたちの個々のインタビューを見ても、オーディション段階から高いセルフイメージを持ち、それを維持できるよう指導されていたことが分かります。

一般の人には難しそうに見えてしまいますが、たとえそういう恵まれた環境に居合わせなくても、自分の意志でアーティストとして成長していくことは可能です。

自分自身が最高のトレーナーである

みなさんも日々の練習の中でダンスビデオを撮影して動きを確認することがあると思います。その時に、自分自身の評価軸を持つようにしてください。

自分自身の動きを客観的に分析し、改善点を見つけることができるようになれば、誰かに怒られたり後押しされなくても自ら取り組むモチベーションにつながります。

また、サイモンチームのような理想的な環境下ではなくても、日本には聴衆として参加できるダンスイベントがありますし、SNSで他のプロダンサーやパフォーマンスを観察して新しい技術やスタイルを取り入れることもできます。

モチベーションを維持するためには、明確な目標を設定し、小さな目標を達成することで達成感を得ることが大切です。

自分自身を見失いそうな時はトレーナーの力も借りましょう

とはいえ、初期の段階においてはSNSや舞台上で見るダンサーやアーティストと自分の実力差が大きすぎて、逆に自信を失ってしまうこともあるかもしれません。

そういう時はぜひ私たちのようなアーティスト・デベロップメントのプロトレーナーの力もぜひ借りてほしいと思います。

我々もアーティストやプロを目指した初期においては練習しても分からないことが山ほどありました。

今のようにSNSやYOUTUBEが無い時代でしたので、街の図書館で資料を探したり、海外から教則本やDVDを購入して自分で翻訳したりといった時代でしたが、その情熱があったからこそ厳しいオーディションを勝ち抜くことができた部分もあります。

誰よりも上達したい、自分のアーティストとしての可能性・方向性について知りたいという方はぜひお問い合わせください。

【XGの歌唱力】│グローバルアイドルに必要なダンス練習や歌唱力トレーニング方法とは(後編)

執筆者情報
TOKIONE TETSUYA
AVEXワールドオーディション台湾での優勝を機に作曲家として活動し、 独立後はシティポップ・アーティストとしてJAPAN TIMES誌にも掲載された。 NTTドコモ音楽事業部にて、デジタル音楽及び全国オーディションプラットフォームのサービス主幹を担当。 2014年から発掘・アーティストプロデュースを担当した清水美依紗がメジャーデビューを果たした。 早稲田大学・政治経済学部政治学科卒。

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