こんにちは、このブログではK-POPや世界で活躍したい若手アーティスト様へ向けて、
大手グローバルオーディション優勝者の視点・音楽プロデューサーとしての経験から業界構造を解説してきました。
今回はUNICODEという新しい日本発・K-POPグループについて取り上げたいと思います。
ダブルエックス・エンターテインメントってどんな事務所?
7月23日に日本デビューしたニュース映像
全員が日本人で構成されているK-POPガールズグループ「ユニコード」は、2024年にデビューしましたが、韓国本土でも好意的な評価を得ています。
彼女たちは韓国に本社があるダブルエックス・エンターテイメントという事務所に所属していますが、その他、日本でのエンパス・エージェンシーという事務所などさまざまな企業と人物のサポートを受けて活動しています。
XXエンターテイメント設立の歴史と背景
創業は音楽制作会社
XXエンターテインメントは韓国で設立されましたが、当初は小規模な音楽制作会社としてスタートし、韓国国内での音楽制作やイベント企画を手がけていたようです。
UNICODEを韓国で紹介しているドキュメンタリーシリーズの中にも『ダブルエックスエンターテイメント』として会社の外観が映っていますが、本格的な制作スタジオを自社で持っていることが分かります。
XXエンターテインメントでのUNICODEレコーディング風景
現在は放送&音楽専門マネジメント所属会社として認知されており、いわゆる大手K-POP事務所ではありませんが、韓国の放送業界では知られた会社です。
ドラマOSTなどで人気を博したK-POP女性デュオ『赤頬思春期』のウ・ジユンが契約しています。
ウ・ジユンの新活動名義ODD CHILDの楽曲
このような作品を観ると音楽業界で長い経験を持つ事務所であり、韓国の音楽シーンに深く根ざした活動を行っていることがわかります。
日本側のPRマネージメントはENPASS AGENCY
また、ユニコード発祥の前身となったオーディション時の映像を見ますと、品川に本拠地を構えるタレントキャスティング・マネージメント会社『EMPASS AGENCY』の川岸社長のインタビューも見ることが出来ました。
それを見ると、韓国側のプロデューサー陣がしっかりしており川岸社長も絶大な信頼を置いているのが分かります。
UNICODEの現地での高評価
XXエンターテイメント設立当初は、主に韓国国内のアーティストのプロデュースを行い小規模なコンサートやライブイベントの企画・運営を中心に活動していました。徐々にその実績を積み重ねる中で、韓国国内外の音楽業界からのネットワークを築いていったと考えられます。
今回UNICODEというグループを結成するにあたり、きちんと韓国の大手芸能番組でのプロモーションも成功させています。
現地の音楽番組にも出演 The Show(SBS)
懐かしさと新鮮さ併せ持つコンセプトが高評価
現在のK-POPは第4世代と言って、いわゆる女性の力強さ、カッコよさを表現するガールズクラッシュが流行の中心でした。
そんな中でUNICODEのようなコンセプトは2010年代中盤から2020年ごろにまで主流だった学園アイドル系にあたります。グループ名で言えばGFRIENSやOH MY GIRL、Apinkなどでしょう。当時の懐かしさもあいまって、現在の韓国人からは逆に新鮮に映るコンセプトとして好評を受けています。
ユニコードのメンバーのデビューまでの道のり
ユニコードはK-POP大手事務所ではない事務所からデビューし韓国でも知名度を上げている点が、K-POPアイドルを目指す皆さんやオーディションを受けている方々にとってとても気になるところだと思います。
最初に日本デビューまでの道のりをまとめてみようと思います。
オンラインオーディションがきっかけ
UNICODEの日本デビューまでの道のりは、オンラインオーディション「PROJECT K」という、2023年4月にABEMAで公開された日本最大規模のオンラインオーディション「PROJECT K」でした。このオーディションを通じて、Unicodeの前段階となるメンバーが選出されていました。
しかし一度そのオーディションからの正式デビューの話は立ち消えてしまい、もう一度メンバー集めから自分たちで行ったという異色の経歴があります。
韓国でのデビューと活動
最終的にMIO、HANA、ERIN、SOOAH、YURAの5人が選ばれ、 彼女たちは韓国でのデビューを2023年4月17日に果たし、アルバム『HELLO WORLD:CODE J EP.1』をリリースしました。
韓国の音楽番組『SHOW CHAMPION』や『MUSIC BANK』などに出演し、日本人グループでは快挙となるような活動を行ってきました。
日本凱旋デビューまで半年という異例の速さ
その後、2024年7月23日にEP「HELLO WORLD : CODE J EP.1(JAPAN EDITION)」をリリースし、日本デビューを果たしました。
デビューを記念して、日本各地でリリースイベントやショーケースを行った様子は、各メディアでニュースになっていました。
このように、UNICODEはオーディションを経て韓国での活動をスタートし、その後すぐに日本でのデビューを果たすというスピーディーな展開を見せています。
Unicode各メンバーの紹介と練習方法
以下に、メンバーそれぞれのインタビュー記事などを抜粋し、彼女たち4人がどのような練習や工夫、苦労を乗り越えてきたかをまとめてみます。
エリンのリーダーとしての責任感
リーダーであるエリンさんは、特にUNICODEへの責任感を強く持っている印象が伺えます。
2024年4月7日に横浜で開催された「NGLA Concert in Yokohama 2024」に出演した際にも、彼女は日本でのイベントにおいてもファンの応援を心強く感じており、韓国で培ったスキルを日本でも最大限に発揮したいと語っています。
韓国アイドルを目指す後輩たちに対し、『UNICODEのエリン先輩のようになりたいと思ってくれる人が一人でもいれば嬉しいです』と動画内でも語っていました。
また、韓国語やスキル向上のためには、下記のことを心掛けていたと言います。
- 韓国語の学習: 言語の壁を克服するために、独学で韓国語を学ぶ。日記を書くことで実用的な表現力を身に付けた。
- リーダーシップの向上: メンバーをまとめるリーダーとしての役割を果たすため、メンバーの意見に耳を傾け、信頼関係を築くことを心がけた。
ユラはボーカル歌唱力でメンバーを引っ張る
幼少期からK-POP音楽に触れていたというユラさん、UNICODEの選抜オーディションに参加する前も月に1度韓国にわたりオーディションを受けていたという努力家です。
下記の動画でもメンバーにボイストレーニングを教える様子が映っています。
「私は主ボーカルとしての役割を果たすために、毎日ボイストレーニングを欠かさずに行いました。特に、少女時代のテヨンさんの動画を見て学ぶことが多かったです。」とインタビューでも語っていました。
特に下記の点に気を使っていたと言います。
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- ボイストレーニング: 毎日のトレーニングを欠かさず、ライブパフォーマンスでの歌唱力を向上させた。
- ロールモデルの研究: 少女時代のテヨンのパフォーマンスを研究し、自身のスタイルに取り入れる努力をしていた。
アルバイトを掛け持ちしながら夢を追っていたユラさんのひたむきな姿勢は、多くの研修生にとって胸を打つことでしょう。
ハナは韓国へ渡り努力を続けた
ハナは幼い頃からK-POPアーティストに憧れを抱いており、TWICEのドーム公演を見たことがK-POPアイドルを目指すきっかけとなったそうです。
家族にはなかなか夢を打ち明けられなかったものの、最終的にK-POPアーティストとしてデビューすることを決意しました。
また、早くから渡韓し、技術を磨いていました。下記の動画でその当時のエピソードも語られています。
韓国のPLUG IN MUSIC ACADEMYで練習していたハナ
アルバイトと語学勉強をしながら、芸能スクールでダンスを磨く生活は『正直大変だった』というハナさん。どんなことに気を使いながら夢を追い続けてきたのか、下記にまとめてみます。
- メンタルサポート: メンバー同士の励まし合いがモチベーションの維持に役立った。
- 表現力の向上: 歌の感情表現を磨くために、異なるシチュエーションを想定しながら歌う練習した。
ミオは離れた親友との友情を糧に努力
最年少であるミオについては、年上のメンバーたちからの愛情を持って努力されていたことが伺えました。
直接的な練習での工夫などは見つけることが出来ませんでしたが、サイトウさんという女性の親友との絆を胸に秘めつつ、お互い切磋琢磨して頑張ってきたことを明かしていました。
親友へのメッセージを語るミオ
また、ミーティングの時にメモ帳を持参してきたミオがスタッフに褒められている様子も見つけることが出来ました。年下で自分に自信が持てづらかったという彼女ですが、まじめな向上心が伺えます。
スアはSNSを研究している
スアもインタビューや動画を見ると妹キャラのようですが、TikTokなどのSNSを研究していると語っていました。
スアのインタビューの様子
どちらかというと大人しい控えめな性格だったスアですが、先輩メンバーたちに習ってSNSでの顔の表情づくりなどを研究してアイドルとしてのふるまいを研究しています。
まとめ
ユニコードのメンバー達のインタビューやデビュー前後の動画を見ると、それぞれが自分の課題に取り組み、努力を重ねてきたことが分かります。
母国を離れて言語の壁や精神的なプレッシャーを克服しながら、彼女たちは共に成長し、K-POPアイドルとしてデビューを果たしました。これからも彼女たちの活躍に注目が集まります。
UnicodeのようにK-POPで活躍するには
ユニコードのデビュー方法はかなり特殊な例と言えますが、このブログで紹介した通り、各メンバーが諦めずに継続的に実力を磨いていたことがそのような稀有なデビューを掴んだ背景にあると言えます。
日本で出来ることは韓国語の基礎、ダンス、歌の技術を磨くことですが、それらの秘訣についても下記の記事でまとめていますのでぜひ参考にしてみてください。
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